買うものはしっかり買えましたので、「ぎょりゅう」退治を決行します。
そのためにも、まずは都まで帰るところから始めたいと思います。えっちらおっちら。
……それは、その帰り道で起きました。
4~5回目くらいの戦闘だったでしょうか。
そこまで、とても調子よく勝ちをおさめてきていたのですが……
普通に「は!?」と声が出ました。
ちょ、まって! それ27000とかした剣なんですが!
そして、さらに。
あ、こっちはなんとなく嫌な予感はしていたので、大丈夫です。精神的には、ですが。
防御力高いのに「かわのよろい」よりもお値段お安い時点でお察しだったと言うか。
いやしかし、戦闘の超真っ最中に何の前触れもなく壊れるとは……。
しかも、いいお値段のものまで容赦なく壊れるとは思っていませんでした。
中古でもお高いし強いし! などと浮かれていた自分を斜め後ろから生暖かい笑顔で見つめてあげたい今日この頃ですっていや冗談言ってる場合じゃなくて。
いやいやいやこれちょっとまってまってまって。買ったもの全滅だとしたら、いくしゅで買い物した意味がほぼ全部フっ飛ぶんですが!
軽くパニックになりつつも、とにかく都まで帰ります。
浮かれて、それまで持っていた装備を売っちゃったんですよね。なので、これ以上壊れると、道中が超惨事に。
はがねのテント(絶対壊れないセーブ可能HP回復アイテム)があるので、逃げきれれば詰んでしまうことはありません。そこが救いか。
都へ戻ってすぐに、壊れてしまう箇所の装備を整え直しました。
「ハゲりゅうのヘルメット」と「いだてんのくつ」は壊れないアイテムのはずです。きっと。そうじゃなきゃ、やだ。
「まがったアグニのつるぎ」については情報を見つけられませんでしたが、「はこぼれしたシバのつるぎ」がああなった以上、警戒しないわけにはいきません。なので「はがねのつるぎ」を買い戻しています。
実質のプラスは、防御と素早さに少しのみかー。
頼もしい数字が吹っ飛んだのは残念でしたが、収穫ゼロになるよりはマシです。そう思わせて。
気を取り直して、再度、みーなの村を目指します。
その途中の戦闘で、
予想通りのことが起きました。なんだかもう、すっきりしました。
あとは、攻撃ができなくなるかわりに防御面が素晴らしいことになる「ダルマのよろい」というものを残すのみとなりました。
コレは、魚竜の巣内で装備して、「いだてんのくつ」で上昇した素早さに期待しつつ逃げ惑う作戦に使うことにします。
そうして、意気揚々と魚竜の巣に突撃……したのですが。
逃げられないし。
壊れるし。
お前もか。お前もなのか。
はいはいリセットリセット。
結局は、敵が出たら逃げずに戦う、強敵が出ないよう祈る、という作戦に落ち着きました。
なんだかものすごく遠回りをしたような気がします。
しょんぼりしつつ、地道に正解ルートを探り当てること、しばし。
どう見てもそれとしか思えないものを発見しました。よっしゃー。
あとは出し惜しみなしで挑んで、勝てることを祈るのみです。
被ダメ与ダメは、そんな感じです。
回復アイテムを持てるだけ持ってきたので、回復のタイミングさえ間違えなければ、勝てるとみました。
……厄介な攻撃が無ければ、ですが。
幸い通常攻撃以外の攻撃はなく、ある程度HPが減ったら回復することを徹底してみた結果、
勝てました。よかったー。
そう言えば先駆者様の情報によると、この「ぎょりゅう」さんはウロコだか何だかをくれるとのこと。
おお、あった。
これで盾か鎧が作れるそうなので、都に帰ったら発注してみます。
壊れないといいなぁ。
それはさて置き、まずは、アル・シンハさんにご報告です。
帰還後の第一声がそれかい。
そう言われてもなぁ。この人がどんな人となりなのか、私はまったくもってさっぱり存じ上げないわけでして。
正直、ものすごく抵抗があるのですが、ここは「はい」にしておきましょう。そうじゃないと、笛、くれそうにないかもですし。
本当に「いいえ」って言ってたらヘソ曲げてたかもですね……。
日を改めてということは、一泊してこいってことでしょう。以前「きっちょうのたて」を発注した時と同じですね。
いやぁ、お約束ということで。
そんなわけで、素直に一泊しまして、
笛を取りに行きました。
あれ?
ああ、やっぱり別人でしたか。
いきなり若返ったとかそんなオチではないようです。
おい師匠、おい。
い、いきなり弟子を置いて旅立つとは、たいした師匠ですねあのジジイ。
何故わかる。
とはツっこんじゃいけませんね。
粘っても何も出ないようなので、素直にこの笛を持って、都に帰ることにします。
ああ、長かった……。